成年後見制度の概要

query_builder 2022/11/04
成年後見

こんにちは。

今回は成年後見制度のお話、基本編です。

1.基本的には認知症対策

この制度は 認知症や精神障害、知的障害などで、判断能力が低下し、

・詐欺や押売りなどの被害にあう

・入院費などの支払いができない

・自宅のリフォーム、売却ができない

など、

必要な手続き・対応がご自身で出来なくなった場合

代理人に代わりにやってもらうための制度です。

2.大きくわけて2種類あります

法定後見制度

任意後見制度

の2種類です。

①の法定後見制度は、すでに判断能力が低下した人のため、

②の任意後見制度は、将来、万が一判断能力が低下した際に備えて


という違いです。


②の任意後見は保険みたいな感じでしょうか。

3.法定後見制度のメリット

取消権がある。

悪質リフォーム詐欺など被害にあった際など、契約を取り消せるというものです。

これが最大のメリットだと思います。


代理権または同意権がある。

やや難しい判断がいる契約など、代理や同意をしてもらえます。  

代理権などの範囲は、判断能力の程度によって変わります。  

具体的には、程度によって「成年後見人」「保佐人」「補助人」の3種類があります。


4.法定後見のデメリット

代理人を選べない

法定後見人は家庭裁判所が選任します。

ご家族を候補者として申し立てることはできます。  

ただし、ご家族が選ばれるとは限りません。  

弁護士、司法書士などの専門家が選ばれる可能性もあります。  

その場合、月数万円の報酬の支払いが発生します。


②代理できる内容に制限がある

この制度は、本人を守ることが目的ですので、

たとえば

・子や孫への贈与

・株式・不動産などへの投資

など、

ご本人が今までしてきたこも、原則としてできなくなります。


やむを得ないことながら、硬直的な制度、という印象です。


そこで、当事者の契約によって代理人や代理してほしい内容を決めておくことができる任意後見制度というものがあります。


契約ですので、判断能力があるうちに、契約する必要があります。


5.任意後見制度のメリット

①代理人を選べる  

自身が信用している人物を代理人に指定できる。


②代理権の内容を決められる  

・子や孫への贈与  

・株式、不動産への投資  

なども契約に定めれば可能です。


6.任意後見制度のデメリット

取消権がない  

法定後見と違い、取消権がありません。  

通常の取引同様、裁判などで争って取り消していくことになります。


監督人がつく  

これをデメリットというかわかりませんが、  

家庭裁判所から監督人が選任されます。

監督人への報酬支払が発生します。  


開始のタイミングが難しい  

ご本人が、判断能力が低下したと判断した際に、家庭裁判所に申し立ててスタートします。

この見極めはなかなか難しいです。


④契約の際に費用がかかる  

契約書の作成には、必ず公証役場の関与が必要です。  

場合によっては、弁護士、司法書士などが関与することもあります。

これら手続きに費用が発生します。


7.最後に

余談になりますが

知り合いの司法書士などと話していますと、

ご本人の判断能力が低下することがないままお亡くなりになり、

任意後見契約が発効することなく終了することも少なくないようです。




東京法務局墨田出張所近くで司法書士事務所をしています。

お気軽にご相談ください。

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